【花園準決勝】前年覇者が2年連続で決勝へ。東海大仰星29−21桐蔭学園

全国高校ラグビー準決勝第2試合は、昨年の決勝と同じ組み合わせとなりました。昨年の結果はご存じのとおり、東海大仰星37−31桐蔭学園。東海大仰星が4度目の日本一に輝きました。なお、昨日お伝えした第1試合は2年前の決勝と同カード。こうした対戦はお互いに期する部分もあるでしょうし、やはり見る側としても力が入ります。

 

さて、準決勝第2試合は桐蔭が7−14と前半リードして折り返しましたが、後半開始早々5分、7分と仰星が立て続けにトライ&ゴールを決めて21−14と逆転。さらに16分、仰星はゴール前5メートル左中間ラックから左へ展開し、最後は摂南大学監督・元日本代表NO8河瀬泰治氏を父に持つFB河瀬諒介選手が左スミにトライを決めて26−14と突き放しました。桐蔭も26分に7点を加え1トライ差に迫りましたが最後は自陣ゴール前ラックでハンドのぺナルティーをとられ万事休す。最後にPGを選択して決めた仰星が29−21で勝利し、2年連続で決勝への切符を手にしました。

 

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後半16分、東海大仰星FB河瀬諒介選手が決勝進出を強く手繰り寄せるトライを決めました。

 

この日、サッカーの全国高校選手権準々決勝で東海大仰星が優勝候補筆頭の東福岡を1−0で破るという快挙を成し遂げました。この吉報を試合前に聞いたラグビー部の主将、FL山田生真選手にとっては大きな刺激になったそうです。

 

「アップが終わった時点で1−0で先制していると聞いて、そのまま勝ったので『サッカー部がやってくれた。今度は俺らの番や。負けられへん』という気持ちになりました。サッカー部とは同じ冬場がシーズンということで、グラウンドを半分に割って刺激を受け合いながらやってきました。主将(MF松井修二主将)とは同じクラスで『優勝しような』とずっと言い合っていて、お互い勝ったら連絡し合って『アベック優勝するぞ』と伝えてきました。アベック出場は2回目なんですけどアベック優勝はまだないので、達成したいです。7日(決勝)に勝って、9日はサッカーの決勝に応援に行きたいと思っています」(東海大仰星FL山田生真主将)

 

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サッカー部の奮闘も、ラグビー部を強く刺激していました。

 

ラグビー以上に大きく報道された高校サッカー界の大金星。しかし東海大仰星サッカー部にとってもラグビー部にとっても目標はあくまで日本一であり、いずれの勝利も通過点と認識しているようです。ラグビー部の決勝の相手も東福岡。因縁めいた対決、どのような試合になるか楽しみです。

 

一方、敗れた桐蔭学園の藤原秀之監督は試合を淡々と振り返りました。

「落ち着いてゲームをしていたとは思いますが、集中力が切れた一瞬の隙を突かれたという印象です。去年は力の差が正直あったと思うのですが、今年はあまり差がないだろうと考えていました。けが人も続出し苦しんだ大会でしたが、3年生を中心に層をできるだけ厚くする、総合力を高めることをしてきました。もう一つ上には行けませんでしたが、今年は去年の齋藤直人(現早稲田大学SH)のような絶対的存在がいない状況でここまで来られました。(仰星との試合は)だいたいこういう形になるだろうなと思っていましたが、力は出し切れたと思います」

 

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前半は2トライでリードして折り返した桐蔭学園。無念の逆転負けとなりました。

 

リードしていた時間も長かっただけに悔やまれる敗戦でしたが、その一方でここまでよくやった、という思いも強かったようです。

 

全校高校ラグビー決勝は7日(土)14時05分、花園第1グラウンドでキックオフとなります。地上波生中継もありますので、ぜひご覧ください。

 

<取材・文・撮影/齋藤龍太郎(楕円銀河)>

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