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【大学選手権決勝】帝京大が日本ラグビー史を塗り替えV8!岩出監督は東海大を賞賛

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まさに「激突」と表現するにふさわしい、極めてハイレベルな対戦でした。全国大学選手権決勝、帝京大33-26東海大。新日鐵釜石と神戸製鋼の7連覇を越える日本ラグビー史上初の8連覇を、大学チームである帝京が成し遂げました。V8王者の勝負どころでの強さが光った一方、前半に14点リードしながら終盤に14点をリードされ、しかし最後は1トライ1ゴール差に迫りノーサイド寸戦まで帝京大を追い詰めた東海大の鍛え上げられた姿も、実に見事でした。「どちらが本物の努力を積み上げたてきたかの勝負」(帝京大・岩出雅之監督の準決勝後のコメント)と言わしめるほど互いに切磋琢磨した者どうしでしか、このような好勝負を演じることはできなかったのではないでしょうか。

 

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スクラムトライは今季の東海大の強さの象徴でした。

 

東海大の強みは直接2本のトライに結び付けたスクラムでした。加えて、NO8テビタ・タタフ選手の一撃の破壊力を活かしたアタックも大きかったでしょう。しかし、スクラムでは劣勢に立ちながらも、わずかな隙をトライに結び付けたのは帝京大でした。特に後半は優勢になったブレイクダウンを起点に、SO松田力也選手を軸としたBKでのアタックでトライを畳み掛けました。特に帝京大にとって決勝点となった後半28分のトライ、ギリギリのプレーとなったWTB竹山晃暉選手のインゴールでのグラウンディングも松田選手のキックパスによるものでした。このレフリングは物議を醸しましたが、試合後の東海大・木村季由GM兼監督の「(レフリーが)トライということであればトライ」という言葉のとおりでしょう。

 

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東海大FL磯辺主将、そしてエディー・ジャパン経験者のPR渡邉隆之選手の涙は特に印象的でした。

 

それでも、V8王者になる最後の瞬間まで帝京大を苦しめ、あわや両校優勝という展開にまで持ち込んだ東海大のラグビーも見事というほかありません。帝京大・岩出監督もそんな東海大を褒め称えた、試合後の両チーム記者会見の模様です(一部抜粋)。

 

■東海大会見

 

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木村季由GM兼監督

「前半(機能した)内側のディフェンスが(後半は)ちょっと閉じ切れていなかったので修正して臨んだのですが、少し足場が悪くバランス崩したところもあり、タックルミスでトライいかれてしまうシーンもありました。(後半28分の帝京大WTB竹山選手のトライについては)トライということであればトライです。(会見終了後に)1年間ありがとうございました」

 

FL磯辺裕太主将

「帝京大のミスから、自分たちの強みで2つトライを取ることができたので、そこは凄く自信をも持っていいと話しました。春から積み上げてきたディフェンスで帝京大のFWを止める、敵陣でトライを取れる、という意識を持ちながら、浮足出たないように我慢して相手のペナルティーを誘うなど、当たり前のことを確認しました」

 

■帝京大会見

 

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FL亀井亮依主将

※通常は監督、主将の順にコメントしますが、岩出監督に順番を譲られる形で先にコメントしました。

「今日のゲームはファイナルということで、この1年間チームとして積み上げてきたものを出し続けようと試合に臨みました。スタートから少しミスが出て、立て続けに2本のトライを取られましたが、チームとしてはやることが明確だったので、(まずは)自分たちの強みであるブレイクダウン、ディフェンスから流れをつかもうと、いいコミュニケーションを取りました。試合はトータルして自分たちの縦への強みが出せましたし、相手が止まっているときに取り切れたところが非常に良かったと思います」

 

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岩出雅之監督

「よかったです。ほっとしました。昨日の夜、あるメディアの予想が東海大(が優勝するだろう)と聞き、学生にそれを話して奮起を促しました。今季の東海大はとても素晴らしいチームで、これまでと違って完成されていました。そういう意味で、とても気持ちの入った準備で挑むことができました。スクラムに関しては今季、そんなに強力な武器になるほどのものではありませんでした。理由は(スクラムに)あまり時間かけていなかったからです。時間をかけたい気持ちはありますが、学生の練習時間のこと、トレーニングの機会とのバランスを考えるとスクラムだけにかけすぎてしまうと今やっているボールを動かす攻撃やディフェンスの対応力に時間をかけることができない。スクラムはウィークポイントになるかもしれないと覚悟してやっていました。実際そうだったと思いますが、時間の試合が経つにつれて、五分五分かそれ以上に組んでほしいと期待を込めて信じていました。最後にスクラムトライを獲られましたけど、もう少し前にメンバーチェンジしていたら(トライは)なかったでしょう。ただ、第1列が奮起していたのでメンバーチェンジを遅らせました。いくつかの局面でインターセプト、ノックオンなどのミスが起きました。ただ、本当にやられたのはスクラムトライだけです。我々の強いところ、ディフェンス、アタックともに出たのかなと思います。細かいことはいろいろありますが、まずはとてもうれしく思いますし、学生のたくましさをとても感じさせてもらいました。本当にしぶとい帝京の選手たちを誇りに思えるゲームを見せてもらいました。昨年7連覇を達成できて、今年で8連覇。ラグビーにおいてこの8連覇という数字は重いと思います。その数字に恥じないよう様々な大学と切磋琢磨していければ、学生たちも成長できると思います」

 

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2トライを決めるなど勝利に貢献した帝京大CTB矢富洋則選手。兄・勇毅選手が所属するヤマハ発動機との対戦は実現するでしょうか。

 

8年連続で大学王者となった帝京大は、1月21日(土)に花園でトップリーグ王者(サントリーかヤマハ発動機)で対戦します。

 

<取材・文・撮影/齋藤龍太郎(楕円銀河)>