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【ジョセフHC会見①】本格強化を進める「3つのチーム」とは?

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花園での日本選手権準決勝の激闘も終わり、国内シーズンの主要試合は1月28日(土)のトップリーグ入替戦3試合、そして1月29日(日)の日本選手権決勝(パナソニックvsサントリー)を残すばかりとなりました。そして2月からはオフ…では実質なく、サンウルブズがスーパーラグビー2年目のシーズンのスタートを切り、並行して日本代表も始動するなど、ラグビーたけなわの季節が間断なく続いていくことになります。

 

そんな時期に差し掛かる直前の1月19日(木)、日本代表のジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)が日本ラグビー協会で記者会見を行いました。昨年9月の就任から11月のテストマッチまでの振り返り、そして今年から2019年に向けての方針について語り、すでに広く報道されています。

 

今回は会見冒頭から質疑応答の前までをお伝えしますが、ここでジョセフHCが語ったテーマは3点です。項目と内容を要約すると、

 

■就任からの経緯

 スーパーラグビー、ハイランダーズのHCとしてシーズンを終えて、昨年9月に来日。トップリーグを視察し、選手のセレクション等をほぼ単独で行いました。これはコーチ陣が全員揃うのに時間がかかったため。「難しい仕事だった」とジョセフHCは語っています。

 

■昨年11月のテストマッチ4試合の実感

 結果は1勝3敗でしたが、ウェールズ代表を敵地で追い詰め30-33と惜敗するなど、短い準備期間にも関わらず成長の跡を見せたことに、ジョセフHCは手応えを感じたそうです。ただ、最後のフィジー戦での完敗については落胆の色を隠しませんでした。

 

■今後の計画・プログラム

 サンウルブズはフィロ・ティアティアHCが率いますが、昨季以上にサンウルブズと日本代表を一貫して強化していく方針を、ジョセフHCがあらためて語りました。6月のシリーズよりも前に行われるテストマッチについては若手を織り交ぜ編成し強化を図るそうです。

 

こうしたことを語ったジョセフHC。会見の全文は以下の通りです。

 

【ラグビー日本代表ジェイミー・ジョセフHC記者会見】

 

 

お集まりいただきありがとうございます。またみなさんとお会いできてうれしいです。

 

最初に申し上げたいのは、昨年11月のテストマッチに向けての最初の3ヶ月間が、コーチとして非常に大事な時期だったということです。(昨年9月のHC就任時に)再来日して最初に持った印象は、日本でラグビーの人気が非常に出ているということでした。それは2015年のワールドカップの成績によるものだと感じたと同時に、(日本代表に)かかっている期待が高いとも感じました。サンウルブズがスーパーラグビーの初めてのシーズンを終えたばかりという状況で私は(日本代表の)HCになったわけです。

 

ただ、2015年の(ワールドカップの)成績はそれ相応の時間を割いて培った結果であり、また(ワールドカップの)メンバーの半分ぐらいが(代表を退いたり)引退していたという現実もありました。加わるはずだったコーチングスタッフも、その時点では(まだ)スーパーラグビーや日本の企業チームに属していたので、私が一人で選手を選んでいかなければならない状況でした。正直なところ難しい状況でしたが、秋のテストマッチが非常にいいステップになったことは確かです。

 

そんな中でもチャレンジしなければならないこと、課題はたくさんありました。特にマインドセット(心構え、精神的な姿勢)の部分です。我々にとって最も大事なのはラグビーをすることだからです。それから秋のテストマッチに臨んだわけですが、まずアルゼンチン戦(昨年11月5日。20-54で敗戦)というこの非常にタフな試合に臨むには、それほど経験値のない若い選手が多い状況でした。(この月に)ティア1ともティア2とも試合を行うという中でどういったことをしなければならないかと考えたときに、最初にアルゼンチンと戦ったことについては若い選手にとって経験になってよかったと思います。タフな相手によくやりましたし果敢に挑んでいた部分もありましたが、なかなか難しいところもありました。逆に力を発揮できたのがジョージア戦(昨年11月12日。28-22で勝利)です。ああいった(強い)相手と、しかも彼らのホームで試合をするのは本当に難しいことですが、結果を出すことができました。そこからさらにステップアップしたのがウェールズ戦(昨年11月19日。30-33で惜敗)でした。あの試合で、私たちがこれからどんな姿勢のラグビーをしたいかということを選手がしっかり示してくれましたし、我々がやろうとしているゲームプランがまた一つ深くなり、我々のレベル自体が一つ上がったと感じられました。あのチームにあのような試合ができたのは非常に大きかったと思いますので、この3試合に関してはポジティブなステップだったと私は受け止めています。

 

ただ、フィジー戦(昨年11月26日。25-38で敗戦)に関しては本当に残念だったと言わざるを得ません。個人的にも非常に残念な試合でした。テストマッチが続くと、準備期間の短さや(試合の)インターバルの中でどれだけメンタルを集中し直すかということも問われるわけで、ここは難しかったです。

 

以上が昨年の11月のテストマッチについて受けた印象です。それでは今後のプログラム、計画についてお話ししたいと思います。

 

私自身、そして私の周りにいる仲間のコーチ陣、そして日本のラグビーをいかに強く、発展させていくかというお話です。トップリーグが終わり日本選手権が終わったら、ただちにコーチ陣を集めて始動させたいと思っています。ここにはサンウルブズのコーチ陣も含みます。こうして今回の代表コーチングチームが集まって、みんなで一緒に始動することができるのは初めてのことです。ここから細かいプラン作りなどいろいろと話をしていきたいと思います。具体的には、私たちのスケジュールとしては3つの大会に3つのチームで挑むことになると考えています。まず、フィジーで行われるPRC(パシフィック・ラグビー・カップ)。そしてARC(アジア・ラグビー・チャンピオンシップ)。これは日本代表ですが、サンウルブズ(の一部)や大学生などの若手選手が混在するチームで臨むことになります。そして3つめがスーパーラグビー(つまりサンウルブズ)そのものです。

 

スーパーラグビーはご存じの通り本当に大変な戦いを繰り返していく大会となります。今回サンウルブズは(ハードなシーズンを)戦い抜くためにも40名以上という大所帯のスコッドとなります。そこでの私の役割は、サンウルブズが遠征に連れて行かないプレーヤーに学生を加えてそのスコッドをもっともっと強く育てていくこと、そこに私のコーチとしての役割があると思っています。3月と4月、私はそれにあたることになります。もう一つ言えることは、そういったことをすることによって私自身も今日本にどんなタイプの選手がいるのかを理解する非常にいい機会になるでしょう。私自身コーチとして70人以上の選手を見ながら6月と11月のテストマッチに向けて準備していくことになるので、3月と4月の活動に関しても張り切って臨みます。それこそが6月と11月、ひいては2019年の準備につながると思います。

 

<取材・文・撮影/齋藤龍太郎(楕円銀河)>