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【サンウルブズ2季目】悪いスキルを退治して「昨季よりいいスタート」切る!

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国内のラグビーシーズンが1月をもって終わり、早いもので2月も2週目が終わろうとしています。そんな中、スーパーラグビー2シーズン目を迎えるヒト・コミュニケーションズ サンウルブズは2月1日(選手の集合は1月31日)から始動し、現在は福岡県(11日まで宗像市、12日から北九州市)で合宿中です。

 

今回は2月3日の節分に東京・辰巳で行われた今季初合宿3日目の練習の模様をお伝えします。

 

当日午前、練習を終えたあと節分にちなんでチーム全員で豆まきを行い、2時30分ごろから再び練習に臨みました。その5日前まで戦っていたサントリーとパナソニックの選手を除いたメンバーで、フィットネスの向上も兼ねての全体練習。および、近場での1対1の対応やラックでのスキルをおのおの入念に確認していました。初日と2日目は取材に行けなかったこともありチームの雰囲気を確認することができずにいましたが、この3日目の午後の練習を見た限り、和やかでありながらも真剣なムードとチームとしての一体感をはっきり感じることができました。

 

練習終了後、共同キャプテンの立川理道選手にサンウルブズ2季目の滑り出しについて聞きました。

 

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ボールを追う立川理道選手。日本代表に続いて新キャプテンを務める。

 

「選手もよくなっていますし、試合に向けて徐々に仕上がっています。日々レベルアップしていると思いますし、一人一人が役割の理解などを(もっと)向上させていければいいですね。(去年の)11月(の日本代表のテストマッチ)もそうですがベース(チームとしての礎)があるので、昨季よりもいいスタートが切れていると思います」

 

フィロ・ティアティア ヘッドコーチもこの最初の合宿でいい感触をつかんだようです。

 

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サンウルブズののフィロ・ティアティア ヘッドコーチ。昨季はFWコーチを務めた。

 

「3日目としては選手が練習してきた姿はよかったと思います。やりたいことをしっかりやるということにフォーカスしました。サンウルブズで使う新しい言葉であったり、シェイプであったりを落とし込んでいるところですが、また今日1日を通して向上することができたと思います」

 

同時に、準備期間の短さについても言及しました。

 

「ハリケーンズ戦(2月25日)まで時間がありません。他のスーパーラグビーは3ヶ月間(をかけて)準備しているので、本当に私たちは準備する時間がなく、(ハリケーンズ戦まで)3週間しかない中でやるべきことをやっています。(ただ)成長途上の今の段階としては(現状の出来に)満足しています。今後もやりたいことをやるために向上するのみです」

 

一番向上させたいことは? の質問には「全てです」と答えた上で、今季のチーム像についてはこうコメントしました。

 

「去年とは全く違うチームです。今日のウォームアップは日本語で行いました。マエ、ウシロ、ミギ、ヒダリといったように。このチームはトンガやニュージーランド、日本などいろいろな国から文化が集まってきます。それをお互いに教え合ってやっていけていることにエキサイトしています。これからも言葉や文化の壁を乗り越えて教え合ってやっていきたいと思います」

 

各国の様々な文化の交流。それもまたラグビーの素晴らしい一面です。この日、それを象徴していたのが昼に行った豆まきでした。ティアティア ヘッドコーチも節分の意味を学んだようです。

 

「(豆まきは)初めての経験でした。外国人にとっては初めての機会になりました(※昨年の節分は豆まきではなく、恵方巻を食べる験担ぎを行いました)。ジョンジー(サイモン・ジョーンズS&Cコーチ)とベン(ベン・へリング ディフェンスコーチ)が鬼役になってくれて、みんなで楽しく豆まきを行うことができました。こういう日本の文化は素晴らしいですし、こうした文化に触れることは外国人にとって本当にいい経験です。(豆まきの意味は)鬼を退治する、悪いことを退治する行事と理解しています。(今日は)悪いスキルや悪いプレーを退治できたので(笑)、チームとしてもいい状態になりました」

 

相手チームを「退治」するには、まず自チームの悪い面を「退治」しなければいけません。短い練習期間で見つかる課題、そしてそれを克服できる度合いは限られてくるかもしれませんが、一つ一つ修正対応しチームとして、選手個人として向上していくしか道はないでしょう。

 

節分という日本古来の行事を通じてさらなるステップアップを誓ったサンウルブズは、今月25日(土)の開幕戦で昨季王者のハリケーンズと戦う前に、18日(土)にトップリーグオールスターズと対戦します。

 

なお、8日に発表されたトップリーグオールスターズのメンバーは下記の通りで、チームを率いるのは日本代表のジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチです。ただ、15選手のみの発表だったうえPR浅堀航平選手はその後サンウルブズに追加招集されたこともあり(どちらのチームで出場するかは現時点では不明)、さらにメンバーが補充される可能性がありそうです。

 

■トップリーグオールスターズ出場選手(2月8日発表)

 

PR 浅堀航平(トヨタ自動車)背番号77 ※サンウルブズ追加招集

PR 石原慎太郎(サントリー)背番号1

PR 渡邉隆之(東海大4年)背番号33

HO 坂手淳史(パナソニック)背番号21

LO 大戸裕矢(ヤマハ発動機)背番号4

LO 谷田部洸太郎(パナソニック)背番号87

FL 小澤直輝(サントリー)背番号35

SH 流大(サントリー)背番号25

SO 松田力也(帝京大4年)背番号53

CTB タマティ・エリソン(リコー)背番号23

CTB アンドレ・テイラー(近鉄)背番号15

CTB 山中亮平(神戸製鋼)背番号26

◎WTB 山田章仁(パナソニック)背番号39

WTB カーン・ヘスケス(宗像サニックス)背番号64

FB ジェイミー・ジェリー・タウランギ(宗像サニックス)背番号8

 

リストの行末に「背番号」とありますが、これはこの試合で試験的に導入されるジャージーの背番号の「持ち番制度」によるもの。「持ち番制度」とは選手が0〜99までの好きなジャージーの背番号を設定し、自分を象徴する番号としてファンへの一層の認識を図る試みで、将来的にトップリーグでの導入が検討されています。「背番号=ポジション」だけにこの試みには賛否両論あるようですが、グッズ販売など商業的な目的もありますし、試験的に導入して反響をうかがうにはいい機会かもしれません。

 

なお、チームのキャプテンを務めるのは、昨季途中までスーパーラグビーのトライ王争いに絡んでいたWTB山田章仁選手。今季はサンウルブズとは契約しておらず、トップリーグオールスターズの一員として昨季の仲間たちからトライ獲得を狙います。2011年に日本代表と対戦したトップリーグ選抜でもキャプテンを務めた山田選手(ヘッドコーチは翌年から日本代表を率いることになるエディー・ジョーンズ現イングランド代表ヘッドコーチでした)、地元・北九州市の新しいスタジアム「ミクニワールドスタジアム北九州(北九州スタジアム)」のこけら落としだけに、何としても見せ場を作りたいところでしょう。

 

また、タマティ・エリソン選手やアンドレ・テイラー選手といったスーパーラグビーでの経験が豊富な外国人選手の参戦にも大きな意義がありそうです。グローバルテンズでパナソニックの一員として戦う松田力也選手も休み知らずで出場する予定です。

 

当然サンウルブズとしても負けるわけにはいかないこの試合は、サンウルブズにとってプレシーズン唯一の一戦でもあり、戦術等を確認する上でも非常に大事なゲームとなります。18日(土)はこの対決に注目し、サンウルブズが今季どのようなラグビーを標榜し展開するのか、ぜひ見せていただきましょう!

 

<取材・文・撮影/齋藤龍太郎(楕円銀河)>