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首位ヤマハ&2位サントリー順位キープも勝ち点最接近!

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平尾誠二さんの訃報でどうしても気が沈んでしまう、重苦しい週末になりました。そんな中で開催されたトップリーグ第8節、きのう東大阪市花園ラグビー場(大阪)で開催された2試合を取材。第1試合が豊田自動織機vsサントリー、第2試合がヤマハ発動機vsNTTコミュニケーションズというカードでした。実は1位のヤマハと2位のサントリーが出揃う花園と、平尾さんに勝利を捧げたい神戸製鋼とホンダが激突する鈴鹿(三重)とでどちらに行くか迷ったのですが、ここはトップを走る2チームの動向を見守ることにしました。

 

花園での結果はすでに報じられている通り、

・豊田自動織機●15-52○サントリー(勝ち点5)

・ヤマハ発動機(勝ち点4)○21-17●NTTコミュニケーションズ(勝ち点1)

となりました。サントリーとヤマハ発動機がそれぞれ勝利し順位をキープしましたが、総勝ち点はヤマハが38、サントリーが37とわずか1ポイント差と最接近。まだまだどうなるかわかりませんが、やはり12月24日(土)のヤマハスタジアムでの直接対決が大きなターニングポイントになりそうです。

 

11時45分キックオフの第1試合、豊田自動織機vsサントリーで目立ったのは、やはりマン・オブ・ザ・マッチに輝いたサントリーWTB中靏隆彰選手でした。前半4分と9分、後半4分にもトライを決めてハットトリック達成、さらに後半12分にも1トライを決めて4トライの大爆発。今季11トライとなり、トライランキングで神戸製鋼WTB山下楽平選手(9トライ)を一気に抜き去りトップに立ちました。

 

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この日だけで4トライ! 今季のトライランキング1位に躍り出たサントリーWTB中靏隆彰選手。

 

試合後の記者会見で、サントリーの沢木敬介監督は、

「前半は自分たちの予想通りのスタートが切れたのですが、後半は想定外のペナライズがされたり、簡単なミスを犯したり、そういうところにうちの弱さが出ました。50点とってはいますけど、今日もいい勉強をさせてもらいました」

と、大勝にも喜びの表情はなく、むしろ反省材料ができたことを収穫としているようでした。この日は後半からの出場となったSH流大キャプテンも、

「勝ち点5をとって、いい反省になるゲームでした」

と反省の弁。快進撃を続けていても、優勝に向けてはまだまだ課題があるということなのでしょう。

 

14時からの第2試合、ヤマハ発動機vsNTTコミュニケーションズは、序盤から膠着状態が続く好ゲームに。両者ともに激しい攻防を繰り広げたものの前半28分までスコアは動かず、ヤマハLOデューク・クリシュナン選手の先制トライでようやく均衡が破れます(7-0)。34分には同じくヤマハNO8堀江恭佑選手がトライ(14-0)。しかしNTTコムも36分にアタックの要である日本代表NO8アマナキ・レレイ・マフィ選手が追撃のトライを決め、南アフリカ代表から戻ってきたSOエルトン・ヤンチース選手のコンバージョンゴールで14-7、後半13分にはPGを成功させて14-10とさらに差を詰めます。

 

優勝争いしていく上で負けられないヤマハは後半22分、LO大戸裕矢選手がマン・オブ・ザ・マッチを引き寄せる大きなトライで21-10と再びリードを広げ、この時点でトライ差は2。ヤマハがもう1トライ追加して相手からトライを奪われなければボーナスポイントが加わる状況でしたが、ホーン後の43分に再びNTTコムNO8マフィ選手がトライを決めて、最終スコアは21-17となりました。逆転はならなかったNTTコムですが、7点差以内の敗戦で得られるボーナスポイント1をもぎとり、首位のヤマハに一矢報いました。

 

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ヤマハ発動機LO大戸裕矢選手のトライ。相手ディフェンスを複数人引きずりながらのパワフルなプレーでした!

 

4点差での勝利に、ヤマハ発動機の清宮克幸監督は試合後の記者会見で、

「勝利をすることができたのはうれしいですが、内容的にはヤマハとしては今季ワーストに近い出来だったかなと。(特に)敵陣でのセットプレーでいくつもミスを重ねた部分ですね。あのあたりが非常に不満足。しかしそんな不満足な試合の中でも、勝ち負けというところではほとんどリスクのない試合運びをできた点は成長なのかな、ということは選手に話しました」

と、満足いかない試合内容にもトップを走るだけあるチームの成長を見ていました。続けて、

「ここまできたら勝ち点というより、(直接対決で)勝った方が優勝でしょう」

と、前述の直接対決を意識していることを包み隠さず話しました。

 

また、平尾誠二さんの訃報についても、清宮監督は

「個人的な交流はありませんでしたが、平尾さんは(日本ラグビー協会の)理事だったので、現役(理事)のまま(お亡くなりになりました)。(我々が)しっかりがんばっていかないといけないなと思いました」

とさびしさをのぞかせつつ、しかし今後のラグビー界を担っていかなければならないという決意をにじませるコメントを残しました。

 

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いずれも試合前には黙祷が捧げられ、大会旗・チーム旗も半旗となりました。関係者、ファン全員が悲しみを背負いながらも、もちろんトップリーグをはじめ国内ラグビーは続いていきます。日本のラグビーを盛り上げていくためにおのおのがどんな責任を果たしていく必要があるか、あらためて考えながら活動を続けていく必要があるでしょう。

 

<取材・文・写真/齋藤龍太郎(楕円銀河)>