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日本代表、フランス戦第2戦で15-20と逆転負け…ただし手応えは十分

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今夏の「リポビタンDチャレンジカップ2022」最終戦となった日本代表とフランス代表の第2戦が、7月9日(土)に東京・国立競技場で行われた。

 

その1週間前に豊田スタジアムで行われた第1戦は、日本代表が前半健闘するも後半突き放されて23-42で敗戦。この結果により通算対戦成績は日本代表の10敗1分けとなり、第2戦も引き続き日本代表が対フランス戦初勝利を目指す重要な一戦となった。

 

世界ランキング3位の強豪との対戦ということもあり(日本代表は10位)、国立競技場には日本開催のテストマッチ最多記録となる(ただしラグビーワールドカップ2019を除く)57011人ものファンが詰めかけ、フランス戦初勝利の瞬間を待ち望んだ。試合前には、前日に凶弾に倒れた安倍晋三元総理大臣に黙祷が捧げられた。

 

第1戦は先制トライを許しただけに第2戦も「入り」で簡単に失点されないことが重要だったが、前半9分にフランスWTBマチス・ルベルがトライ。SHマキシム・リュクのゴール成功で0-7とリードされる、第1戦と似たようなスタートとなる。

 

しかし、その直後の前半12分、日本代表は自陣からパスを回すとCTBディラン・ライリーが抜け出し、左大外を追走していたWTBゲラード・ファンデンヒーファーへパス。一気にゲインしたWTBファンデンヒーファーのラストパスを受けたFB山中亮平がトライ。5-7と日本代表は2点差に詰め寄ると、19分にはSO李承信のPGで8-7と逆転に成功する。

 

さらに前半終了間際の40分、敵陣まで攻め込んだ日本代表はラックからSH齋藤直人、SO李承信、FB山中亮平、キャプテンのHO坂手淳史、そして左大外を走り込んできたCTB中野将伍とパスをつなぐと、CTB中野将伍が折り返す形でHO坂手淳史へオフロードパス。HO坂手淳史からパスを受けたFLリーチ マイケルがゴール前までビッグゲインし、最後はその内側をフォローしていたFB山中亮平が2トライ目を決める。日本代表は15-7と8点リードしてハーフタイムを迎えた。

 

安定したパフォーマンスで日本代表に欠かせない存在となったSH齋藤直人。

安定したパフォーマンスで日本代表に欠かせない存在となったSH齋藤直人。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後半もリードを広げていきたい日本代表だったが、4分、フランス代表SHマキシム・リュクに、また20分にSOマチュー・ジャリベールにPGを決められ15-13とわずか2点差に迫られると、31分にはSHバティスト・クイユーにスクラムサイドを突かれトライを許し、15-20と逆転される。

 

日本代表は34分、敵陣でのラインアウトから途中出場のNO8テビタ・タタフが一気にインゴールへ飛び込んだものの、TMOの結果ノックオンの判定となりトライは認められず。初勝利まであと一歩のところで、日本代表は15-20で敗れた。

 

日本代表NO8テビタ・タタフの突進。トライは認められず、逆転はならなかった。

日本代表NO8テビタ・タタフの突進。TMOの結果トライは認められず、逆転はならなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

試合後には日本代表HO坂手淳史主将からフランス代表へ刀の贈呈が行われ、フランス代表FLシャルル・オリヴォン主将からも「ABE SHINZO」と安倍晋三元総理の名が記された代表ジャージーと花束が日本代表に贈られ、2試合に渡る健闘を称え合った。

 

記者会見で、ジェイミー・ジョセフHCは試合をこのように振り返った。

 

「チームとしては残念な結果になってしまった。テストマッチで勝てる状況にはあったが、後半ミスが増えてしまったことで勝つことができなかったのは残念。若い選手もパフォーマンスを発揮できたと思うし、経験のある選手とのバランスが取れたチームになったと思う。若い選手の中でも特に9番(SH齋藤直人)と10番(SO李承信)はよく頑張ったし、ここからステップアップし前に進んでほしい」

 

HO坂手淳史キャプテンは開口一番「悔しいです」と語り、続けて、

 

「勝てるところまで行けたと思う。この1週間だけでなくこのチームが始動して5週間、勝つための落とし込みをしてきた。全員がしっかり役割を理解した上で試合に臨めたと思うし、いい形で試合を折り返せたが、最後は遂行力の部分で取り切れなかった。もう一歩、その一歩が大きいという思いがある。勝つためにはそこを追求していかなければならない」

 

と唇をかみ、善戦にも笑顔はなかった。

 

一方、フランス代表のファビアン・ガルチエHCは、

 

「ご覧の通り難しい試合だった。ハーフタイムの直前にトライを取られ、前半8点リードされた。今季、リードされて前半を終えたのも、ハーフタイムの直前に得点されたのもこの試合が初めて。チームがどのように反応するのか見る上では興味深い展開だった。しかし後半に13点取り、反撃することができた。私たちにとって大切なことは、試合に勝つこと。後半に入った選手はたくさんのエネルギーを与えてくれた」

 

と苦戦を認めつつも、後半の反撃を評価した。

 

また、FLシャルル・オリヴォン主将は、

 

「前半はしっかり戦えておらず、ボールを簡単に手放していた。ハーフタイムのメッセージはシンプルでクリアだった。全般にセットピースはよかった。ラインアウトは日本に阻止された時間帯もあったが、修正できたことには満足している。日本ボールのラインアウトを阻止することもでき、今日はポジティブだったと思う」

 

と、後半から修正できたことへの手応えを口にした。

 

1カ月強に渡る活動を終えた日本代表。9月には活動を再開する。

1カ月強に渡る活動を終えた日本代表。9月には活動を再開する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本代表はこの試合をもって解散となり、9月に活動を再開。秋のテストマッチに向けて準備を始める予定だ。11月にはイングランド、そして今年3度目の対戦となるフランスとのテストマッチが控えており、来年のラグビーワールドカップ2023フランス大会に向けてさらなる進化が期待できそうだ。

 

取材・文・撮影/齋藤龍太郎(楕円銀河)

記者会見取材・フランス語翻訳/福本美由紀