2月、男子セブンズ日本代表候補になり得る選手を招集し育成・強化を図るスコッド「男子セブンズ・デベロップメント・スコッド(SDS)」の合宿がJAPAN BASE(福岡県福岡市)で行われ、練習の模様が公開された。

3月にカナダ(バンクーバー)遠征、4月に香港遠征を控えるなか、男子SDSは男子セブンズ日本代表フィル・グリーニング ヘッドコーチらの指導の下、基礎的なスキルの反復練習からゲームライクな実戦形式まで幅広いトレーニングを午前と午後に分ける形で行った。

2024年のパリオリンピックに出場するなど現チームでトップクラスの経験値を誇るSDS最年長の津岡翔太郎は、2021年に解散となったコカ・コーラ レッドスパークス所属時代から研鑽してきた福岡県福岡市のJAPAN BASE(元「さわやかスポーツ広場」)で変わらず汗を流していた。
「昨年、シリーズへの出場を逃して(アジアラグビーエミレーツセブンズシリーズ2025の結果により、今年の「HSBC SVNS DIVISION3」の出場権を得られず)、それから僕たちは今、今年のアジア競技大会に向けて強化を進めている段階です。昨年負けてから準備してきて、かなり成長していると手応えを感じているので、どのぐらいフィットしたかを(今後の遠征で)確認できると思います。
(大学生や高校生もいるなかで)プライベートの部分では世代のギャップを感じますが、グラウンドに入ったらみんな素直で、成長する意欲を感じます。そういう気持ちとか意欲に関してはギャップはないので、そういう意味ではいい環境で練習できていると感じています。今や一番年齢が上になりましたが、若い選手に負けていられないなという意欲がわいているので、逆に僕が刺激をいただいてる立場ですね」
そう意気込む津岡にとって、JAPAN BASEは特別な場所だ。
「(福岡市出身の)僕にとってこの場所は、ラグビーを始めた中学生時代から憧れのグラウンドでした。いろいろなことを学ばせていただいた地であり、思い入れがありすぎる場所なので、チームは変わっても変わらずに練習できている僕は幸せ者だなと思います。僕にとってはまさに『ベース』であり。ここから世界に挑戦する、出発するという気持ちはこれからも変わりません」
15人制イングランド代表HOで1999年のラグビーワールドカップに出場し、ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズにも選出、男子セブンズイングランド代表のキャプテンも務めた実績を持つフィル・グリーニング ヘッドコーチにも現時点の手応えを聞いた。

「(練習序盤に基礎的なスキルトレーニングに時間を割いていたが)非常に重要なものと位置付けています。セブンズも15人制も、そういったスキルは要素としては(必要不可欠であることは)変わりません。そしてセブンズでは一人ひとりのそのスキルが生きる場面が多いので、我々としては(15人制としての育成にもつながる)パスウェイプログラムとしてセブンズでしっかりと選手を育てるために、基礎的な練習を重視しています。
高校生、大学生の世代からリーグワンのプレーヤーに至るまでのレベルアップのために、我々は若い選手の基礎的な部分を早い段階で育て、経験もしっかり積ませていきます。大学の強化システムによる成長をサポートして、リーグワンに上がった段階ですでにリーグワンのレベルにいるような選手に育てたいと考えています。
日本代表にとっても、そういったところが非常に重要であることは明らかです。他国のU20代表を見てみると若い選手がすぐにトップチームに入れるように育成をされています。そこに追いつくためには、日本もそのような育成のしかたを重視していく必要がありますので、エディー・ジョーンズ(15人制日本代表ヘッドコーチ)さんとも話し合いながらこういったプログラムを設けています。
今年のターゲットはもちろんアジア大会ですが、JTS(ジャパン・タレント・スコッド・プログラム。各大学と連携のうえ、選抜された大学生選手を対象に定期的に日本代表スタッフが指導とアドバイスを行い、日本代表として世界の舞台で活躍するワールドクラスの選手を育成することを目指すプログラム)と連携して若手の選手をしっかり育てていくことも目標です。若手は国際経験のない選手ばかりなので、(今後の海外遠征は)そういった選手たちにとってもすごくいい経験になると考えています」
短期的な強化に終始せず15人制も含めた有望選手の育成に努めるその背中の先に、日本ラグビーの未来が見えてくるはずだ。
取材・撮影・文/齋藤龍太郎(楕円銀河)
