【RWC2019決勝の舞台】日産スタジアム初のトップリーグ公式戦が持つ意味を考える

いやー…東京は残暑が厳しいですね。

全国的にも暑いようですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。

夜には少し涼しくなるといいのですが。

 

さて、今日9月10日(土)もトップリーグ第3節の試合が各地で開催されますが、

中でも注目されるのが18時、日産スタジアムでキックオフの東芝vsキヤノン戦です。

 

もちろんこの組み合わせ自体も楽しみなのですが、それ以上に会場に注目です。

日産スタジアム(横浜国際総合競技場)は、ご存じの方も多いかもしれませんが

3年後に開催されるRWC(ラグビーワールドカップ)の決勝戦の舞台なのです。

そこで、14年目を迎えたトップリーグの公式戦が初めて行われるわけです。

 

サッカーではJリーグはもちろんFIFAワールドカップ、クラブワールドカップなど

国内外の試合を問わず豊富な開催実績がありますが、

ラグビーは1998年4月5日のウィダー日英学生ラグビー対抗戦が一度行われたきり。

つまり、ラグビーにおいてワールドクラスのプレーヤーが日産スタジアムで激突するのは

今日が初めてと言っていいでしょう。そしてそれは同時に、

2019年のRWC日本大会に向けての「キックオフ」であることも意味しています。

 

今年4月21日、ワールドラグビーRWC統括責任者アラン・ギルピン氏(メイン画像右)が

日産スタジアムを視察し、充実した設備に満足したような表情でこう語りました。

 

「2019年に向けて本当にワクワクしています。

もちろん(世界の)ラグビーにとって素晴らしい大会になりますが、

日本全体にとっても大きな意味のあるイベントになるでしょう。

この第9回大会はアジア初の開催となり、非常に重要な大会となります」

 

続けて、

 

「ラグビーの価値とは、品位・尊重・自立・結束・情熱であり、これらは

ラグビープレーヤー、観客、レフリー、運営者にとって非常に重要なものです。

日本にこうして滞在していると、こうしたラグビーが持っている価値観が

日本の文化を構築している価値観と非常に似ていると思えるようになりました」

 

と語ったのです。

日本の文化や国民性と、ラグビーという競技が持つ価値や魅力には

おおいに共通項なり親和性がある、ということだと解釈しています。

この発言は開幕戦が行われる味の素スタジアムでの会見でも出たものですが、

(こうして書いていても)あらためて感銘を受けました。

ラグビーと日本に内在するものは共通していると、客観的に評価されたのです。

 

ギルピン氏は続けます。

 

「したがって2019年のRWCはスペシャルな大会になると考えています。

2015年大会ではブレイブブロッサムズ(ラグビー日本代表)が躍進し、

心躍るような3勝を挙げました。日本でも新たな観客が増えたと考えています。

これからの私どもや日本ラグビー協会、組織委員会にとっての大きなチャレンジは、

こうした新たなファンをどのように引きつけて、さらに増やしていくか、

それをいかに2019年大会につなげていくかということです」

 

ファンの増加──確かに昨季、トップリーグは観客数が大幅に増えました。

2019年に向けてラグビー人気の上昇を確認・証明すべき日でもあるわけですが、

今宵の日産スタジアムの集客は一体どうなるでしょうか。

 

横浜は日本で初めてラグビーが伝わり、行われた地であり、

その横浜に今なおグラウンドを構える慶應義塾は日本ラグビーのルーツ校です。

 

そんな地で、ラグビーの魅力を多くの人々が共有し、

ラグビーの感動が全国または世界へと発信される記念すべき日になることを、

東芝vsキヤノンの一戦のキックオフを前に願うばかりです。

 

<取材・文・写真/齋藤龍太郎(楕円銀河)>

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