【JJJ初白星!】ジョージアを下した選手たち&HCの現地からの声

ジョージア代表戦で90メートル独走を含む2トライ! アルゼンチン戦に続き決定力を見せたWTBレメキ ロマノ ラヴァ選手(中央。写真はアルゼンチン戦のものです)。

 

強敵ジョージア代表(ワールドラグビー世界ランキング11位)に敵地トビリシで快勝! JJJ(ジェイミー・ジョセフ・ジャパン)ことラグビー日本代表(同12位)が22-28で逆転勝利。課題は数多く見られたものの、「強み」を発揮できたという意味では素晴らしい初白星となりました。

 

戦前の予想どおりスクラム、ラインアウト、モールなどといったFW戦は常に劣勢でしたが(不安定だったラインアウトは、フィジカル面とは別の要因がありそうですが)、アルゼンチン戦の課題だった組織ディフェンスは大幅に改善。要所でキックを使いつつ、チャンスでは「SH田中-SO田村-CTB立川」を軸に鮮やかなパス回しでトライを獲り切りました。

 

2トライを決めたWTBレメキ ロマノ ラヴァ選手の個人技、決定力はもちろんですが、先制トライを含む活躍を見せたFB松島幸太朗選手の判断(前半9分、前方にキックしチェイス→WTBカーン・ヘスケス選手がパス→松島選手トライ!)、途中出場ながらインパクトを残したWTB福岡堅樹選手のラン(後半23分、敵陣でのラックからSH田中→HO堀江→SO田村とつなぎ、前方に走り込んだ田村から左サイドのWTB福岡堅樹にラストパスが渡り逆転トライ!)も勝利の要因と言えるでしょう。先発LOの梶川喬介選手、リザーブLOのアニセ サムエラ選手の陰での働きもかなり効いていた印象です。

 

さて、現地で戦った選手たちとジョセフHCの声が入ってきましたのでお伝えします。

 

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◎CTB立川理道ゲームキャプテン(共同キャプテン)

「ジョージア代表がフィジカルに、フォワードでどんどん攻めてくるというのは(過去の対戦から)わかっていたにもかかわらず、前半ディシプリン(規律)の問題で簡単にペナルティを与えてしまったこともあり、なかなか自分たちのペースは掴めなかった。ボールが動き出した時に、相手のディフェンスがついて来れず簡単にトライできたので、そこから自分たちの形を見つけられたと思う。ボールが動き出して自分たちの形が作れるようになってからは流れが自分たちの方に向いてきた。

ジョージアで試合をすると毎回たくさんの観客が試合に来てくれて、ブーイングも含め大きな歓声があるので、アウェイでの戦い方を知る上でいい経験になる、と思いながら試合をしていた。

先週のアルゼンチン代表戦から、戦い方は大きく異なってはいたが、選手一人一人の役割を明確にしてそれぞれの役割を果たせたことがディフェンスの向上につながったと思う」

 

◎FL布巻峻介選手

「初めてのテストマッチだったが、まずは勝ててよかった。あと2戦あるので、気を引き締めて頑張りたい。接点でレベルアップしなくてはいけないと思える試合でもあったので、修正して次の試合に挑みたいと思う。ジョージア代表はとても大きく、強かった。8人全員の重さが伝わってくるスクラムだった」

 

◎WTBレメキ ロマノ ラヴァ選手

「勝てて本当によかった。セットピースは相手の方が強かったが、フォワードの選手が頑張ってくれたので、インターセプトと、ボールがいい方向にバウンドをしたおかげでトライを取ることができた。このアウェイの雰囲気の中で試合に勝てたのはよかったと思う。15人制日本代表で初めての勝利。すごく嬉しい」

 

◎WTB福岡堅樹選手

「久しぶりの試合で、自分らしい形でトライできたのはよかった。反省すべき点も多々あったので、この遠征で成長していきたい。ジョージアはフィジカルのチーム。チームはもちろん、スタジアムの雰囲気も独特だったので、いい経験ができたと思う。セブンズ(7人制)と15人制はだいぶ違うので体重や体の部分を作り替えるところは苦労したが、今はしっかり15人制の体に戻ってきているので、いい形でまたアピールできるように頑張りたい」

 

◎FB松島幸太朗選手

「一番よかったのはこのチームが始まって初めての勝利をつかめたこと。まだスタートの段階なので、これからチームとして成長していきたい。ジョージアはフォワードで押してくる印象で、自陣に入られるとフォワードで来られるのが(試合前から)わかっていたが、それでも自陣に入れてしまったところは修正したい。(前半9分の自身のトライは)ターンオーバーからのアタックという部分で、いい判断ができカーン(・ヘスケス)もしっかりサポートで来てくれていたので、それがトライにつながった」

 

◎ジェイミー・ジョセフHC

「先週(のアルゼンチン代表戦)から、課題となっていたディフェンスが向上し、圧力をかけ相手のミスを誘うことができた。ジョージア代表のスクラムに対して不必要なペナルティをして、フォワードが7人になった時には非常に大きなプレッシャーがかかってしまったが、この一週間、この試合に向けてしっかりと準備し対策を練ってきていたので、フォワードがあれだけプレッシャーを受けていても、質のいい球出しができれば必ず勝てると思っていた」

 

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完全アウェーの中での新体制初白星。大きな成果を持って、次は19日(土)にウェールズ代表と敵地カーディフで対戦します。アルゼンチン代表を24-20で破り実力を見せたばかりのレッドドラゴンズ。ジャパンは続けて敵地、それもウェールズラグビーの聖地で凱歌をあげることができるでしょうか。

 

そして! 日本時間あす早朝、TOP14トゥーロン所属のFB五郎丸歩選手がスタッド・フランセ戦で初の先発出場を果たします。前節は20番でリザーブとして途中出場し、バックスでは日本人初のTOP14出場選手となりましたが、今回はついに15番です。朝早いですがWOWOWでの中継を楽しく見守りましょう!

 

<文・写真/齋藤龍太郎(楕円銀河)>

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