トップリーグも大詰めです。第12節時点で優勝はヤマハ発動機とサントリーの2チームに絞られてきましたが、この時点でまだ可能性が残されているパナソニックが12月18日(日)秩父宮でのリコー戦で快勝し、可能性を捨てることなく追走しています。
この試合で象徴的だったのは、WTB山田章仁選手のハットトリック(3トライ)の活躍でした。それも最初のトライ(前半15分)は、世界最高のFLデービッド・ポーコック選手のバックフリップパスを受けて決めたものでした。リコーも終盤までくらいつき、最終的に3トライ差以上には開かなかったものの、試合内容としては快勝と言える内容で9680人の観客を沸かせました。
試合後のパナソニック、ロビー・ディーンズ監督の言葉です。
「今日の結果に関しては非常に満足しています。リコーさんが激しいプレッシャーを、特にブレイクダウンの部分で我々にかけてきて、非常に苦しい局面もあったのですが、それに対して選手たちがしっかりと反応してくれて、いい結果が出たと思っています。べリック・バーンズがけがから復帰してほぼ80分間出場してくれたので(後半34分にタンゲレ・ナイヤラボロ選手と交代)、我々にとっては非常に大きい材料になったと思います。布巻(峻介)がゲームキャプテンとして非常にいい仕事をしてくれたので、リコーさんに試練を与えられた場面もありましたが、そこもキャプテンとしてよくまとめてくれました」
また、この試合にはキャプテンのHO堀江翔太選手が先発出場していましたが、ゲームキャプテンは布巻峻介選手が務めました。この理由についてディーンズ監督は、
「彼(堀江選手)が日本代表の遠征から帰ってきたときに、『残りのシーズンは自分のプレーに集中したい』と彼から話がありました。彼自身、日本代表、パナソニック、サンウルブズ、去年のワールドカップと大きな責任を負いながらやってきた部分がありますので、彼の意見を尊重しました。先週の坂手(淳史。第11節のHonda戦でゲームキャプテン)や今週の布巻のように、経験のある選手たちが周りにいる間に(機会を)与えられるのはチームとして意味があることなので、こういった選択をしています」
と語っています。堀江選手の働きや意向を尊重しつつ、将来的なチーム像も見据えながら采配しているディーンズ監督。パナソニックでもその世界的な手腕をふるっています。
なお、同日、同会場で行われた勝ち点20どうしの争い、キヤノン対NECは45-21でキヤノンが勝ち点5を獲得しています。上位8チーム入りへ一歩前進した形となりました。
さあ! そして明日24日(土)はヤマハ発動機ジュビロ(1位)対サントリーサンゴリアス(2位)の直接対決です。13時にキックオフとなる天王山、果たしてどのような試合に? そしてジュビロの本拠地であるヤマハスタジアム(静岡県磐田市)にどのぐらいの観客を集めることになる? 今季国内最注目の試合、ぜひお見逃しなく!
<取材・文・写真/齋藤龍太郎(楕円銀河)>