サクラフィフティーン、強豪アイルランドに22-57で完敗…第2戦に悔しさをぶつける

7月、南アフリカ代表との2連戦を1勝1敗で終えた女子15人制日本代表「サクラフィフティーン」。その後も釜石、静岡で合宿を行い、8月のアイルランド代表との2連戦と10月開幕のラグビーワールドカップ2021(2022年に延期開催)に向けて強化を進めてきた。

 

8月20日(土)はその成果を見せるべきテストマッチ、アイルランド戦第1戦が行われた。会場は、男子日本代表が3年前のラグビーワールドカップ2019でアイルランドに勝利した静岡・エコパスタジアム。男子と同じくランキング下位の日本代表(試合前時点で12位)が上位の強豪アイルランド(同7位)に対しどのようなラグビーで勝ちに行くのか、まさに注目の一戦となった。時折小雨が降った会場には1117人のファンが駆け付け、熱戦を見守った。

 

先手を取ったのは日本代表だった。前半3分、敵陣ゴール前まで攻め込んだ日本代表はFWを使って近場を攻め、最後はFL鈴木実沙紀がポール際にトライ。SO大塚朱紗のゴールも成功し、日本代表が7-0と先制に成功する。

 

さらに前半6分、日本代表はマイボールラインアウトを起点に仕掛け、No.8永井彩乃がラインブレイク。CTB松田凜日、WTB今釘小町とパスがつながり、今釘がインゴールまで走り込んでトライ。12-0となり、11分にはSO大塚がPGを決めて、15-0とリードを広げる。

 

トライを決めた日本代表WTB今釘小町

前半6分、チーム2トライ目を決めた日本代表WTB今釘小町

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、前半中盤からアイルランドが反撃を開始する。17分、23分と連続トライを決められ15-12とわずか3点差にされると、前半ホーン後の42分にもトライを許し、15-19と逆転されて試合を折り返す。

 

 

力強いラインブレイクが目立った日本代表HO永田虹歩

力強いラインブレイクが目立った日本代表HO永田虹歩

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後半は前半序盤のように先制しトライを重ねたい日本代表だったが、アイルランドの勢いを止められない。2分にはこの試合2本目となるHOニーヴ・ジョーンズがトライ。15-2とさらに点差を広げられる。日本代表はミスやペナルティが重なりモメンタムを作ることができず、アイルランドにチャンスを与えてしまう展開となり、13分にはアイルランドHOニーヴ・ジョーンズがハットトリックとなるトライ(15-31)。17分にもトライを許し、15-38と点差は23点となる。

 

後半23分、ようやく敵陣でフェーズを重ねゴール前でペナルティを得た日本代表は、途中出場のPRラベマイまことがパスを受けて一気にインゴールへ飛び込み、トライ。22-38とようやく点差を縮めるが、29分、32分、39分とアイルランドに3連続トライを決められ、22-57とされたところでフルタイムとなった。

 

9トライの猛攻で快勝し笑顔のアイルランド

9トライの猛攻で快勝し笑顔のアイルランド

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

試合後の記者会見で、日本代表のレスリー・マッケンジーHCは、

 

「試合後、選手たちには『スタンダードを見直し、それをトレーニングに持ち込んでゲームプランに落とし込んでいくことに集中しよう』と話しました。相手にはブレイクダウンで押され、その結果オフサイドの数が大幅に増えてしまいました。そのコントロールは日本側ができることではあるのですが、相手のプレッシャーによってもたらされたものでした」

 

と完敗を認めつつ、立て直しを誓った。

 

会見に同席した日本代表PR南早紀キャプテンは、

 

「この1週間、アイルランド(のアタック)を止めようとやってきたのですが、相手も上手くムーブして(ボールを)動かしてきたことに対応できませんでした。修正が上手くいかず点数を取られてしまいました。試合後は、今回のツアーの40人の代表として23人が桜のジャージーを着てグラウンドに立ったにも関わらず、(思うような)プレーを体現できなくて申し訳ないと(チームメイトに)声を掛けました」

 

と、時折涙をこらえながら悔しい思いを口にした。

 

8月27日(土)はその悔しさを晴らすチャンスとなる第2戦を秩父宮ラグビー場という大舞台で迎えることとなる。国内最終戦で手応えをつかんで、ワールドカップが行われるニュージーランドへ意気揚々と向かいたいところだ。

 

取材・文・撮影/齋藤龍太郎(楕円銀河)

関連記事

最新の記事

TOP